倍数の性質について
素数に関する問題の解答解説で少しだけ触れましたが、
倍数については以下のような性質があります。
これらを覚えておくことで、計算や素因数分解がかなり楽になります。
・2の倍数⇒一の位が0,2,4,6,8
当然ですが、偶数は2で割りきれる数です。
一の位が偶数であればその数は偶数で、2で割りきれます。
・3の倍数⇒すべての桁の数の和が3の倍数になっている
例えば、「234951という数は3で割りきれるか?」と問われて、
すぐに答えることはできますか?
上記の性質を覚えている人は、実際に234951を3で割ってみなくても
割りきれるとすぐに分かります。
すべての桁の数を以下のように足します。
2+3+4+9+5+1=24
答えは24です。この値が3で割りきれるならば、
234951は必ず3で割りきれるのです。
この性質は必ず覚えておきましょう。
・4の倍数⇒下2桁が4で割り切れる(00でもよい)
素数ではありませんが、4の倍数にも性質があります。
100は4で割りきれるので4の倍数なのですが、
例えば73900などという数も
100が739個集まった数ですから、4の倍数なのです。
ですから、「73968は4で割りきれるか?」と問われたら、
下二桁の68が4で割りきれるか確認すればいいのです。
68は4で割りきれますから、73968は4の倍数と言えるわけです。
・5の倍数⇒1の位が0か5になっている
説明は不要ですね。一の位が0か5なら、その数は5の倍数ですから、
5で割りきれます。
・6の倍数⇒偶数で、かつ3の倍数の性質を持っている。
素数ではないですが、これ、結構重要です。
この性質を理解しておけば簡単に解ける問題を見たことがあります。
かけ算九九の3の段を思い出してみましょう。
3,6,9,12,15,18,21,24,29…
偶数番目だけ取り出せば、6,12,18,24…と、6の段になります。
ある数が6の倍数かどうか確認する際は、3の倍数の時と同じように、
すべての桁の数を足して3の倍数になるか、
さらに偶数かどうかを確認してください。
この2つを満たしていれば、その数は6の倍数と言えます。
・8の倍数⇒下3桁が8で割り切れる。(000でもよい)
素数ではありませんが、8にも性質があります。
1000は8で割りきれるので8の倍数なのですが、
例えば739000などという数も
1000が739個集まった数ですから、8の倍数なのです。
ですから、「739672は8で割りきれるか?」と問われたら、
下三桁の672が8で割りきれるか確認すればいいのです。
672は8で割りきれますから、739672は8の倍数と言えるわけです。
・9の倍数⇒すべての桁の数の和が9の倍数になっている。
素数ではありませんが、9にも性質があります。
例えば、「56727という数は9で割りきれるか?」確認してみましょう。
すべての桁の数を以下のように足します。
5+6+7+2+7=27
答えは27です。この値が9で割りきれるならば、
56727は必ず9で割りきれるのです。
以上を踏まえて、もう一度素因数分解について考えてみましょう。
(問)851を素因数分解せよ。
(解答解説)
以下の手順で考えます。
①851は一の位が偶数ではないから2の倍数ではない。⇒2で割りきれない。
➁8+5+1=14,14は3で割りきれないから、
851は3の倍数ではない。⇒3で割りきれない。
➂851は一の位が0か5ではないから5の倍数ではない。⇒5で割りきれない。
➃851を7で割ってみると割りきれない。
⑤851を11で割ってみると割りきれない。
⑥851を13で割ってみると割りきれない。
⑦851を17で割ってみると割りきれない。
⑧851を19で割ってみると割りきれない。
⑨851を23で割ってみると、割りきれた!
⑩851を23で割ったときの商、37は素数だぞ!
(答え)851=23×37