基礎からガッツリ! 数的推理

目指せ公務員試験合格! 数的推理の解き方を徹底解説します!

倍数・約数等に関する問題の解答

それでは、倍数・約数等に関する問題の解答解説です。
なお、問題には当初(5)もあったのですが、
破綻していたので削除しました。


(1)いくつかのアメ玉がある。これらを8個ずつ袋に入れたときも、10個ずつ入れたときも、12個ずつ入れたときも5個余った。アメ玉の個数が400個以上600個以下であるとき、このアメ玉の個数を求めよ。

【解答】
アメ玉の個数を求める問題です。
アメ玉の個数をxとおきます。
x÷8=◇ あまり 5   ⇒  (x-5)÷8=◇
x÷10=△ あまり 5  ⇒  (x-5)÷10=△
x÷12=☆ あまり 5  ⇒  (x-5)÷12=☆

◇や△、☆を用いて式を作りましたが、それぞれの個数で分けた時に必要な袋の数もこの問題では分かりません。つまり、値のはっきり分かっていない未知数はアメ玉の数も含めて4種類あります。しかし、与えられた条件から作れる等式は3つ。これでは方程式で解くのは難しそうです。
この問題は、式の形から分かる通り、公倍数の問題です。
(x-5)を満たす数は8,10,12の公倍数ですよね。
最小公倍数は120。公倍数は120,240,360,480,600…と続きます。
よって、(x-5)=120,240,360,480,600…なのですから、
x=125,245,365,485,605…と続きます。
このうち、400個以上600個以下という題意を満たすのは485のみです。

答え:2 (アメ玉の個数は485個)


(2)生徒を長いすに座らせるのに、7人ずつ座らせると最後のいすには5人だけが座ることになり,8人ずつ座らせると最後のいすには6人だけ座ることになる。このとき、生徒の人数は何人か求めよ。ただし、生徒の人数は280人以上350人以下とする。

【解答】
(1)と似た問題ですね。生徒の数をxとします。
  x÷7=◇ あまり 5
  x÷8=△ あまり 6

生徒の人数だけでなく、7人や8人ずつ座らせたときに必要なそれぞれのいすの数も分からない。
公倍数の問題でしょうけれど、余りが同じ値ではない。
それなら、(割る数)‐(余り)の値を確認しましょう。どちらも2です。
ということは、xを満たすのは、7と8の公倍数から2を引いた値だと分かります。
7と8の最小公倍数は56なので、公倍数は56,112,168,224,280,336,392…と続きます。
よって、x=54,110,166,222,278,334,390…と続きます。
このうち、280人以上350人以下という題意を満たすのは334のみです。

答え:3  (生徒の数は334人)


(3)縦150cm、横252cmの床がある。ここにできるだけ大きな正方形のタイルをすき間なく敷き詰める場合、タイルは何枚必要か。

【解答】
縦150cm、横252cmの床に縦と横の長さの同じ正方形のタイルを敷き詰める、要するに、床の縦と横の長さのふたつを割り切れる値を求める問題です。
正方形の一辺の長さをxとします。
 150÷x=◇
 252÷x=△

正方形の一辺だけでなく、それぞれの商となる値も分からない。未知数3つに対して等式が2つでは、方程式では解くのが難しそうです。
でも、xの値が150や252を割りきれる数だというのは分かる。つまり、xの値は150と252の公約数であると分かります。
150と252の最大公約数は6。できるだけ大きな正方形のタイルを敷き詰めるという題意から、答えは6だと分かります。

答え:3  (正方形の一辺の長さは6 cm)


(4)2桁の2つの自然数AとBの最大公約数が6,最小公倍数が144のとき、AとBの和を求めよ。

【解答】
Aを最大公約数である6で割ったときの商をa、B最大公約数である6で割ったときの商をbとおきます。6a=A6b=Bということです。題意より、自然数AとBを連除法すると以下のように書けます。

 6)A B
   a b

AとBの最大公約数が6なのですから、aとbを共通して割りきれる数があっては題意に反しますね。つまり、aとbを共通して割りきれる数はないので、aとbとは互いに素であるといいます。互いに素の関係にある自然数の最大公約数は1になります。
さて、題意より最小公倍数は144ですから、以下の式が成り立ちます。
 6ab=144 よって、 ab=24


つまり、aとbはかけると24になるというのが分かります。
かけて24になる2つの数の組み合わせは以下の4通りになります。
(1,24)(2,12)(3,8)(4,6)

この4組の中で互いに素の関係になっているのは(1,24)、(3,8)のふた通り。
(a,b)=(1,24)だとすると、B=6×24=144と3桁の数になってしまい、題意を満たしません。
(a,b)=(3,8)ならば、A=6×3=18、B=6×8=48となり、共に2桁の数になります。
もちろん、(a,b)=(8,3)だとしてもOKです。
要するに、最大公約数が6,最小公倍数が144になる2桁の数は18と48ということです。
したがってこの2つの数の和は66となります。

答え:4  (AとBの和は66)

倍数・約数等に関する問題

倍数・約数に関する問題

それでは、公務員試験レベルの問題に挑戦してみましょう!

(1)いくつかのアメ玉がある。これらを8個ずつ袋に入れたときも、10個ずつ入れたときも、12個ずつ入れたときも5個余った。アメ玉の個数が400個以上600偃以下であるとき、このアメ玉の個数を求めよ。

1.475個
2.485個
3.495個
4.585個
5.595個


(2)生徒を長いすに座らせるのに、7人ずつ座らせると最後のいすには5人だけが座ることになり,8人ずつ座らせると最後のいすには6人だけ座ることになる。このとき、生徒の人数は何人か求めよ。ただし、生徒の人数は280人以上350人以下とする。

1.280人
2.282人
3.334人
4.336人
5.350人


(3)縦150cm、横252cmの床がある。ここにできるだけ大きな正方形のタイルをすき間なく敷き詰める場合、タイルは何枚必要か。

1.2 cm
2.4 cm
3.6 cm
4.8 cm
5.10 cm




(4)2桁の2つの自然数A,とBの最大公約数が6,最小公倍数が144のとき、AとBの和を求めよ。

1.48
2.54
3.60
4.66
5.84

公倍数・公約数に関する練習問題の解答解説(2)

ここからは公倍数や公約数の性質を利用して解く基本的な文章題です。
早速解説していきましょう!


(7)6で割っても8で割っても3余る整数のうち、最小のものを答えよ。
  条件を満たす整数を「」として、文の内容を式で表してみます。
   ÷6=◇ ・・・ 3
   ÷8=△ ・・・ 3 
  注)◇や△は、商となる何らかの整数を表しています。
    同じ数である「」を6で割ったときと8で割ったときに
    商が同じ値になるかどうか分からないので違う記号を使っています。

  条件を満たす整数である「」は、割られる数です。
  余りが出ないようにするには、先に余りを引いてしまえばよいので、
  次のように変形できます。
   (-3)÷6=◇
   (-3)÷8=△

  (-3)は6と8で割りきれるわけですから、
  6と8の公倍数ということになります。
   -3=(6と8の公倍数)
  したがって、
   =(6と8の公倍数)+3
  ということになります。
  6と8の公倍数は、最小公倍数は24ですから、24,48,72,96,120…と、
  無限にあります。
  したがって、の値は24+3=27,48+3=51,72+3=75,
  96+3=99,120+3=123…と無限にあります。
  この問題では最小のの値を求めるので、答えは27となります。

  答え:27
  
(8)8で割ると5余り、12で割ると9余る整数のうち、最小のものを答えよ。
  (7)と同じように、条件を満たす整数を「」として、
  文の内容を式で表してみます。
   ÷8=◇ ・・・ 5
   ÷12=△ ・・・ 9

  (7)の問題と似ていますが、余りの値が異なります。
  これでは(7)と同じように解くことはできません。
  割られる数から余りを先に引いてみればその理由ははっきりします。
   (-5)÷8=◇
   (-9)÷12=△

  ね。(-5)と(-9)が
  同じ値にはならないのだから、(7)のようにはいかないのです。
  ではこの問題、どうやって解くのか。
  割る数と余りに注目すると、実は2つの式に共通点があります。
   8-5=3
   12-9=3
  
  このように、(割る数)-(余り)の値が同じ場合、
  条件を満たすの値は次のようになるのです。
   =(8と12の公倍数)-3

  8と12の公倍数は、最小公倍数は24ですから、24,48,72,96,120…と、
  無限にあります。
  したがって、の値は24‐3=21,48-3=45,72-3=69,
  96-3=93,120-3=117…と無限にあります。
  この問題では最小のの値を求めるので、
  答えは21となります。

  答え:21

  確認です。  
  (8)の問題のように(割る数)-(余り)の値が同じ場合、
  条件を満たす○の値は次のようになります。

   =(割る数の公倍数)-{(割る数)-(余り)}

  まだよく理解できない人も多いかと思います。
  以下は補足説明です。
  例えば、7で割ると2余る数を考えてみます。
  7で割ると2余る数は以下の通りです。
   9,16,23,30,37,44,51…

  上記の数について、よく考えてみてください。
  例えば23という数。以下のように2通り考えられますよね。
   ①(7の倍数である21)+2=23
   ②(7の倍数である28)‐5=23

  23は、7の倍数である21より2だけ大きく、
  7の倍数である28より5だけ小さい。
  7で割ると2余る数は、①7n+2であり、②7(n+1)-5なのです。
  ・余りが同じ問題では①の性質を、
  ・余りは異なるが(割る数)-(余り)の値が同じ問題では②の性質を
  それぞれに生かして解くのです。

(9)11で割ると9余り、17で割ると7余る整数のうち、最小のものを答えよ。
  これまでと同じように、条件を満たす整数を「」として、
  文の内容を式で表してみます。
   ÷11=◇ ・・・ 9
   ÷17=△ ・・・ 7

  (7)のように余りの値が同じではない
  (8)のように(割る数)-(余り)の値が同じにならない。
  このような場合は、条件を満たす可能性のある数を列記して考えます。

  どちらもいいのですが、17で割ると7余る数を列記します。

   24,41,58,75,92…

  これらを11で割ってみて余りが9になる数がないか探します。
   24÷11=2・・・2 違う
   41÷11=3・・・8 違う
   58÷11=5・・・3 違う
   75÷11=6・・・9 これだ!

  答え:75

(10)79を割ると7余り、117を割ると9余る自然数をすべて答えよ。
  これまでと同じように、条件を満たす整数を「」として、
  文の内容を式で表してみます。
   79÷=◇ ・・・ 7
   117÷=△ ・・・ 9

  今度は割る数を求める問題です。
   (79-7)÷=◇
   (117-9)÷=△
  (79-7)=72,(117-9)=108です。
  求める値は72と108を割り切れるのですから、
  このふたつの数の公約数が答えとなる可能性が高いと分かります。
  72と108の最大公約数は36ですから、
  公約数は1,2,3,4,6,9,12,18,36です。
  
  ただし、これらすべてが答えになるかどうかについては、注意が必要です。
  なぜなら、条件を満たす数は、79を割ると7余り、117を割ると9余るのです。
  余りより小さい値の割る数があってはおかしいですよね。
  ですから、1,2,3,4,6,9は72と108の公約数ではあるけれど
  題意は満たさない。
  よって、答えは12,18,36となります。

  答え:12,18,36

公倍数・公約数に関する練習問題の解答解説(1)

公倍数・公約数の練習問題は、もう解きましたか?
以下、解答解説を確認してみましょう。

(1)12と18の最小公倍数と最大公約数を答えよ。
  連除法は、しっかり使えるようにしておきましょう。
  2)12 18            
  3) 6  9      
     2  3

  最大公約数⇒2×3=6
  最小公倍数⇒2×3×2×3=36      

(2)24と54の最小公倍数と最大公約数を答えよ。
  2)24 54      
  3)12 27      
     4  9

  最大公約数⇒2×3=6
  最小公倍数⇒2×3×4×9=216

(3)24と36と84の最小公倍数と最大公約数を答えよ。
  2)24 36 84
  2)12 18 42
  3) 6  9 21
     2  3  7

  最大公約数⇒2×2×3=12
  最小公倍数⇒2×2×3×2×3×7=504

(4)45と54と72の最小公倍数と最大公約数を答えよ。
  3)45 54 72
  3)15 18 24   
     5  6  8

  最大公約数⇒3×3=9

  3つの数を共通して割りきれている数はもうないので、
  この時点で左に出てきた数をすべてかけて、最大公約数を求めます。

  最小公倍数に関しては、6と8が2で割りきれるので、
  もう少し計算を続ける必要があります。
  3)45 54 72     
  3)15 18 24   
  )   6  8
       3  4
 
 2で割りきれない5はそのまま下におろします。
  2つの数を共通して割りきれる数も、もうありませんね。
  それでは、左上の数からL字になぞってすべての数をかけましょう。
  これで正しい最小公倍数の値を求めることができます。

  最小公倍数⇒3×3×2×5×3×4=1080

(5)36と54の公倍数を小さい方から4つ答えよ。
  公倍数はすべて、最小公倍数の倍数です。
  ですから、最小公倍数を求めてから、
  その値を2倍、3倍、4倍していきます。
  36と54の最小公倍数は108になります。(連除法で解いてくださいね!)
  よって、108×2=216,108×3=324,108×4=432

  答え:108,216,324,432

(6)36と54の公約数をすべて答えよ。
  最大公約数の約数すべてが、公約数になるのでしたよね。
  36と54の最大公約数は18です。
  18の約数は、1,2,3,6,9,18ですから、
  これらすべてが36と54の公約数です。

  答え:1,2,3,6,9,18


(7)以降の解説は、少しお待ちください。

公倍数・公約数に関する練習問題

それでは、公倍数・公約数の練習問題にチャレンジしてみましょう。
基本的な問題ですが、こちらの問題を解説した後に、
公務員試験レベルの問題にも挑戦してもらいます。

【公倍数・公約数に関する練習問題】
(1)12と18の最小公倍数と最大公約数を答えよ。


(2)24と54の最小公倍数と最大公約数を答えよ。


(3)24と36と84の最小公倍数と最大公約数を答えよ。


(4)45と54と72の最小公倍数と最大公約数を答えよ。


(5)36と54の公倍数を小さい方から4つ答えよ。


(6)36と54の公約数をすべて答えよ。


(7)6で割っても8で割っても3余る整数のうち、最小のものを答えよ。


(8)8で割ると5余り、12で割ると9余る整数のうち、最小のものを答えよ。


(9)11で割ると9余り、17で割ると7余る整数のうち、最小のものを答えよ。


(10)79を割ると7余り、117を割ると9余る自然数をすべて答えよ。

公倍数・公約数の要点解説

ここからは素数の内容をふまえて、
公倍数・公約数の学習を進めていきましょう。

【公倍数】
 2つ以上の整数に共通な倍数のことを公倍数といいます。
 (例)12の倍数…12,24,36,48,60,72,84…
    18の倍数…18,36,54,72,90…
 
 それぞれに共通の倍数である36,72…が、12と18の公倍数となります。
 特に公倍数の中で最小のものを、最小公倍数といいます。
 12と18の最小公倍数は、36ということになります。
 公倍数は最小公倍数から無限にあります
 12と18の公倍数でみてみると、
 小さいほうから順に36,72,108,144…と続いていきます。
 ちなみに、これらすべての数が、36の倍数になっていますよね。
 公倍数は最小公倍数の倍数であるという性質があります。
 これ、絶対に忘れないでください。

【公約数】
 2つ以上の整数に共通な約数のことを公約数といいます。
 (例)24の約数…12346,8,12,24
    36の約数…12346,9,12,18,36

 それぞれに共通の約数である1,2,3,4,6,12が24と36の公約数となります。
 特に公約数の中で最大のものを、最大公約数といいます。
 24と36の最大公約数は、12ということになります。
 ちなみに、12の約数は1,2,3,4,6,12ですが、
 公約数にあげた数と完全に一致しています。
 公約数は最大公約数の約数であるという性質があります。
 これも絶対に忘れないでください。

【連除法】
 最小公倍数や最大公倍数を簡単に求めるために、
 連除法をマスターしておきましょう。
 やり方は、下記の例のように、共通する約数で同時に割っていきます。
 左側に出ててきた数すべてをかけると、最大公約数が求められます。
 共通する約数で割りきってから、
 左からL字に出てきた数すべてをかけると最小公倍数が求められます。 
(例))12 18               
   ) 6  9
      2  3             
  最大公約数⇒2×3=6
  最小公倍数⇒2×3×2×3=36

  なお、3つ以上の自然数の最小公倍数を求める場合、
  すべてに共通する約数がなくても、複数に共通する約数が場合は、
  その部分のみを割って答えを求めていく点に注意しましょう。

   )42 60 90
   )21 30 45
   ) 7 10 15  ←10と15だけなら5で割りきれる
      7  2  3  ←5で割っていない7をそのままおろす

  最大公約数⇒2×3=6
   ※3つの数すべてを割りきれる紫色の2と3だけをかけて
    最大公約数を求める!
  最小公倍数⇒2×3×5×7×2×3=1260
   ※最大公約数の値に、10と15のみ割りきることのできた5
    5では割りきることができず、そのまま下におろした7、
    10と15を5で割ったときの商である2と3をL字にかけます。

倍数の性質について

素数に関する問題の解答解説で少しだけ触れましたが、
倍数については以下のような性質があります。
これらを覚えておくことで、計算や素因数分解がかなり楽になります。

 ・2の倍数⇒一の位が0,2,4,6,8
   当然ですが、偶数は2で割りきれる数です。
   一の位が偶数であればその数は偶数で、2で割りきれます。  

 ・3の倍数⇒すべての桁の数の和が3の倍数になっている
   例えば、「234951という数は3で割りきれるか?」と問われて、
   すぐに答えることはできますか? 
   上記の性質を覚えている人は、実際に234951を3で割ってみなくても
   割りきれるとすぐに分かります。
   すべての桁の数を以下のように足します。
   2+3+4+9+5+1=24
   答えは24です。この値が3で割りきれるならば、
   234951は必ず3で割りきれるのです。
   この性質は必ず覚えておきましょう。

 ・4の倍数⇒下2桁が4で割り切れる(00でもよい)
   素数ではありませんが、4の倍数にも性質があります。
   100は4で割りきれるので4の倍数なのですが、
   例えば73900などという数も
   100が739個集まった数ですから、4の倍数なのです。   
   ですから、「73968は4で割りきれるか?」と問われたら、
   下二桁の68が4で割りきれるか確認すればいいのです。
   68は4で割りきれますから、73968は4の倍数と言えるわけです。

 ・5の倍数⇒1の位が0か5になっている
   説明は不要ですね。一の位が0か5なら、その数は5の倍数ですから、
   5で割りきれます。

 ・6の倍数⇒偶数で、かつ3の倍数の性質を持っている。
   素数ではないですが、これ、結構重要です。
   この性質を理解しておけば簡単に解ける問題を見たことがあります。
   かけ算九九の3の段を思い出してみましょう。
   3,6,9,12,15,18,21,24,29…
   偶数番目だけ取り出せば、6,12,18,24…と、6の段になります。
   ある数が6の倍数かどうか確認する際は、3の倍数の時と同じように、
   すべての桁の数を足して3の倍数になるか、
   さらに偶数かどうかを確認してください。
   この2つを満たしていれば、その数は6の倍数と言えます。

 ・8の倍数⇒下3桁が8で割り切れる。(000でもよい)
   素数ではありませんが、8にも性質があります。
   1000は8で割りきれるので8の倍数なのですが、
   例えば739000などという数も
   1000が739個集まった数ですから、8の倍数なのです。   
   ですから、「739672は8で割りきれるか?」と問われたら、
   下三桁の672が8で割りきれるか確認すればいいのです。
   672は8で割りきれますから、739672は8の倍数と言えるわけです。 

 ・9の倍数⇒すべての桁の数の和が9の倍数になっている。
   素数ではありませんが、9にも性質があります。
   例えば、「56727という数は9で割りきれるか?」確認してみましょう。
   すべての桁の数を以下のように足します。
   5+6+7+2+7=27
   答えは27です。この値が9で割りきれるならば、
   56727は必ず9で割りきれるのです。

以上を踏まえて、もう一度素因数分解について考えてみましょう。

(問)851を素因数分解せよ。


(解答解説)
 以下の手順で考えます。
 ①851は一の位が偶数ではないから2の倍数ではない。⇒2で割りきれない。
 ➁8+5+1=14,14は3で割りきれないから、
  851は3の倍数ではない。⇒3で割りきれない。
 ➂851は一の位が0か5ではないから5の倍数ではない。⇒5で割りきれない。
 ➃851を7で割ってみると割りきれない。
 ⑤851を11で割ってみると割りきれない。
 ⑥851を13で割ってみると割りきれない。
 ⑦851を17で割ってみると割りきれない。
 ⑧851を19で割ってみると割りきれない。
 ⑨851を23で割ってみると、割りきれた!
 ⑩851を23で割ったときの商、37は素数だぞ!

(答え)851=23×37