基礎からガッツリ! 数的推理

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公倍数・公約数に関する練習問題の解答解説(2)

ここからは公倍数や公約数の性質を利用して解く基本的な文章題です。
早速解説していきましょう!


(7)6で割っても8で割っても3余る整数のうち、最小のものを答えよ。
  条件を満たす整数を「」として、文の内容を式で表してみます。
   ÷6=◇ ・・・ 3
   ÷8=△ ・・・ 3 
  注)◇や△は、商となる何らかの整数を表しています。
    同じ数である「」を6で割ったときと8で割ったときに
    商が同じ値になるかどうか分からないので違う記号を使っています。

  条件を満たす整数である「」は、割られる数です。
  余りが出ないようにするには、先に余りを引いてしまえばよいので、
  次のように変形できます。
   (-3)÷6=◇
   (-3)÷8=△

  (-3)は6と8で割りきれるわけですから、
  6と8の公倍数ということになります。
   -3=(6と8の公倍数)
  したがって、
   =(6と8の公倍数)+3
  ということになります。
  6と8の公倍数は、最小公倍数は24ですから、24,48,72,96,120…と、
  無限にあります。
  したがって、の値は24+3=27,48+3=51,72+3=75,
  96+3=99,120+3=123…と無限にあります。
  この問題では最小のの値を求めるので、答えは27となります。

  答え:27
  
(8)8で割ると5余り、12で割ると9余る整数のうち、最小のものを答えよ。
  (7)と同じように、条件を満たす整数を「」として、
  文の内容を式で表してみます。
   ÷8=◇ ・・・ 5
   ÷12=△ ・・・ 9

  (7)の問題と似ていますが、余りの値が異なります。
  これでは(7)と同じように解くことはできません。
  割られる数から余りを先に引いてみればその理由ははっきりします。
   (-5)÷8=◇
   (-9)÷12=△

  ね。(-5)と(-9)が
  同じ値にはならないのだから、(7)のようにはいかないのです。
  ではこの問題、どうやって解くのか。
  割る数と余りに注目すると、実は2つの式に共通点があります。
   8-5=3
   12-9=3
  
  このように、(割る数)-(余り)の値が同じ場合、
  条件を満たすの値は次のようになるのです。
   =(8と12の公倍数)-3

  8と12の公倍数は、最小公倍数は24ですから、24,48,72,96,120…と、
  無限にあります。
  したがって、の値は24‐3=21,48-3=45,72-3=69,
  96-3=93,120-3=117…と無限にあります。
  この問題では最小のの値を求めるので、
  答えは21となります。

  答え:21

  確認です。  
  (8)の問題のように(割る数)-(余り)の値が同じ場合、
  条件を満たす○の値は次のようになります。

   =(割る数の公倍数)-{(割る数)-(余り)}

  まだよく理解できない人も多いかと思います。
  以下は補足説明です。
  例えば、7で割ると2余る数を考えてみます。
  7で割ると2余る数は以下の通りです。
   9,16,23,30,37,44,51…

  上記の数について、よく考えてみてください。
  例えば23という数。以下のように2通り考えられますよね。
   ①(7の倍数である21)+2=23
   ②(7の倍数である28)‐5=23

  23は、7の倍数である21より2だけ大きく、
  7の倍数である28より5だけ小さい。
  7で割ると2余る数は、①7n+2であり、②7(n+1)-5なのです。
  ・余りが同じ問題では①の性質を、
  ・余りは異なるが(割る数)-(余り)の値が同じ問題では②の性質を
  それぞれに生かして解くのです。

(9)11で割ると9余り、17で割ると7余る整数のうち、最小のものを答えよ。
  これまでと同じように、条件を満たす整数を「」として、
  文の内容を式で表してみます。
   ÷11=◇ ・・・ 9
   ÷17=△ ・・・ 7

  (7)のように余りの値が同じではない
  (8)のように(割る数)-(余り)の値が同じにならない。
  このような場合は、条件を満たす可能性のある数を列記して考えます。

  どちらもいいのですが、17で割ると7余る数を列記します。

   24,41,58,75,92…

  これらを11で割ってみて余りが9になる数がないか探します。
   24÷11=2・・・2 違う
   41÷11=3・・・8 違う
   58÷11=5・・・3 違う
   75÷11=6・・・9 これだ!

  答え:75

(10)79を割ると7余り、117を割ると9余る自然数をすべて答えよ。
  これまでと同じように、条件を満たす整数を「」として、
  文の内容を式で表してみます。
   79÷=◇ ・・・ 7
   117÷=△ ・・・ 9

  今度は割る数を求める問題です。
   (79-7)÷=◇
   (117-9)÷=△
  (79-7)=72,(117-9)=108です。
  求める値は72と108を割り切れるのですから、
  このふたつの数の公約数が答えとなる可能性が高いと分かります。
  72と108の最大公約数は36ですから、
  公約数は1,2,3,4,6,9,12,18,36です。
  
  ただし、これらすべてが答えになるかどうかについては、注意が必要です。
  なぜなら、条件を満たす数は、79を割ると7余り、117を割ると9余るのです。
  余りより小さい値の割る数があってはおかしいですよね。
  ですから、1,2,3,4,6,9は72と108の公約数ではあるけれど
  題意は満たさない。
  よって、答えは12,18,36となります。

  答え:12,18,36