基礎からガッツリ! 数的推理

目指せ公務員試験合格! 数的推理の解き方を徹底解説します!

素数に関する問題の解答解説(2)

解答解説の続きが上手くアップできず、
記事の追加が遅くなってしまいました。
お待たせしました。
素数の問題練習の解答解説の続きです!

(8)3つの自然数A,B,CがA<B<Cのとき、A+B=41,BC=667であった。
  このとき、A+B+Cの値を求めよ。
  3種類の文字に対して与えられた等式は2つ。
  これでは方程式で解くのは難しそうです。
  A,B,Cは自然数なのですから、
  それならば素因数分解して、BとCになり得る自然数を探ってみましょう。
  667=23×29
  よって(B,C)=(1,667)または(23,29)となりますが、
  A+B=41とA<Bを満たせるのはB=23のときですね。
  このときA=18となります。
  B=1だとするとA=40となり、A<Bを満たしません。
  よって、A=18,B =23,C=29となるので、A+B+C=70となります。

 答え:70

(9)3つの自然数A,B,CがA<B<Cのとき、AB=90,BC=150であった。
  このとき、A+B+Cの値を求めよ。
  この問題も(8)に似ていますね。
  ふたつの自然数をかけて90になる数を探ってみましょう
  90=2×\mathrm{3}^{2}×5
  素因数分解の結果を参考にしながら、
  かけて90になるふた組の自然数の組み合わせを考えてみましょう。
  (A,B)=(1,90)(2,45)(3,30)(5,18)(6,15)(9,10)
  このうち、Bの値が150の約数になっているのは30,15,10の3通り。
  さらにB<Cを満たすのはB=10、C=15のときのみです。
  よって、A=9,B =10,C=15となるので、A+B+C=34となります。

 答え:34

(10)\sqrt{1080n}自然数となるようなnの、最小の値を答えよ。
  根号(√)を外せるのは、36とか、49とか、
  中の自然数\mathrm{p}^{2}のときですよね。
  この\mathrm{p}^{2}という自然数
  素因数分解したときに、
  素因数の指数がすべて偶数になるという性質を持っています。

  ではまず、1080を素因数分解します。
  1080=\mathrm{2}^{3}×\mathrm{3}^{3}×5となります。
  素因数2の指数は3、3の指数も3、5の指数は1と考えましょう。
  1080は根号を外せる自然数ではないことが判明しました。
  だから、nに少なくとも素因数として
  2がひとつ、3がひとつ、5がひとつあれば、
  素因数の指数はすべて偶数になるので、
  根号を外せるようになりますね。
  よって、n=2×3×5=30となります。

  ちなみに、1080nが\mathrm{p}^{2}となるためには
  最終的に素因数の指数すべてが偶数になればいいわけで、
  この条件を満たすnの値は、
  上記の30に\mathrm{2}^{2}とか、\mathrm{3}^{4}とか、\mathrm{7}^{6}とか、
  偶数乗の指数となるような
  様々な自然数をかけた数でもOKということになります。
  つまりnの値は無限にあるのです。
  だからこの問題は、「最小の値」を求めるように作られているのです。

素数に関する問題の解答解説(1)

問題を解いてみた方は、早速解答してみましょう!

(1)素数を小さい方から9つ答えよ。
  これは絶対に覚えてくださいね。
  13で割り切れないような自然数素因数分解する必要があるとき、
  23くらいまでは割り切れるか確認するようにしてください。

 答え:2,3,5,7,11,13,17,19,23

(2)36を素因数分解せよ。

 答え:36=\mathrm{2}^{2}×\mathrm{3}^{2}

(3)99を素因数分解せよ。

 答え:99=\mathrm{3}^{2}×11

(4)221を素因数分解せよ。

 答え:99=13×17
 
【Point】
 以下を覚えておくと計算の効率があがります。
  ・2の倍数…1の位が0,2,4,6,8
  ・3の倍数…すべての桁の数の和が3の倍数になっている。
  ・5の倍数…1の位が0か5になっている。
   ※221を素因数分解する際は上記も参考に、以下のように解いていきます。
    ①2では割り切れないと分かる。
    ②2+2+1=5で、3の倍数にならないから、3では割り切れない。
    ③一の位が0や5ではないから、5では割り切れないと分かる。
    ④7で割ることはできない。
    ⑤11でも割り切ることはできない。
    ⑥13では割りきれる。しかも商は素数の17。
    ⑦したがって答えは、13×17となります。
    注)2、3、5と、小さい順に素数で割りきれるか検討していくので、
      素数を覚えておく必要があると分かりますね。


(5)551を素因数分解せよ。

 答え:551=19×29

【Point】
 551は大体20×25くらいの大きさ。
 また、一の位が1になっているということは、
 素因数の一の位どうしの積が1になるということですね。
 かけ算九九で一の位が1になるのは、1×1,3×7,9×9くらい。
 11,13,17,19あたりで割りきれるのではないかと予想して、
 実際に割ってみると、19で割りきれました。しかも商である29も素数
 したがって答えは19×29となります。

(6)54の約数はいくつあるか答えよ。
 54=2×\mathrm{3}^{3}
 したがって、約数の個数は、
 すべての(素因数の指数+1)の積で求められるので、
 (1+1)×(3+1)=8      

 答え:8個

(7)2520の約数はいくつあるか答えよ。
 54=2×\mathrm{3}^{3}
 したがって、約数の個数は、
 すべての(素因数の指数+1)の積で求められるので、
 (1+1)×(3+1)=8      

 答え:8個

素数に関する練習問題

それでは、さっそく素数に関する問題を解いてみましょう。
あとで問題解説をアップします。


素数に関する問題】
(1)素数を小さい方から9つ答えよ。


(2)36を素因数分解せよ。


(3)99を素因数分解せよ。


(4)221を素因数分解せよ。


(5)551を素因数分解せよ。


(6)54の約数はいくつあるか答えよ。


(7)2520の約数はいくつあるか答えよ。


(8)3つの自然数A,B,CがA<B<Cのとき、A+B=41,BC=667であった。
このとき、A+B+Cの値を求めよ。


(9)3つの自然数A,B,CがA<B<Cのとき、AB=90,BC=150であった。
このとき、A+B+Cの値を求めよ。


(10)\sqrt{1080n}自然数となるようなnの、最小の値を答えよ。

素数に関する要点解説

それでは早速、学習を進めていきましょう。
まずは素数の要点から説明していきます。
しっかり理解して、次回にアップする問題を解いてみましょう。

素数とは?
 ①1と自分自身の2つしか約数を持たない自然数(正の整数)のこと。
 ②どの自然数も、素数の積の形で表すことができる。

・覚えておくべき素数は?
 素数は無限に存在しますが、小さいほうから9つは必ず覚えておきましょう。
 素因数分解をする際、役に立ちます。
  ⇒2,3,5,7,11,13,17,19,23,(29,31…)
   ※兄さんゴー、セブンイレブンの父さんいいな、行く兄さん(肉くさい…)

素因数分解
 素数の積の形で自然数を表すことを素因数分解といいます。
 下の例のように、ひたすら素数だけで割り続けます。
 (例)   2)1848
       2) 924
       2) 462
       3) 231
       7177
           11 ←ここが素数になるまで割り続ける。
    よって、1848=\mathrm{2}^{3}×3×7×11
 素因数分解の際は、小さい素数から先に割っていきましょう。

自然数の約数の個数
 素因数分解ができるようになると、公務員試験で出題されることのある、
 自然数の約数の個数を求める問題も簡単に解けるようになります。
 
 ここで、例として72の約数について考えてみましょう。
 72を素因数分解すれば、72=\mathrm{2}^{3}×\mathrm{3}^{2}となります。
 72の約数は72を割り切れるわけですから、
 72の素因数の組み合わせでできていなければなりません。
 72の約数は全部で12個(1,2,3,4,6,8,9,12,18,24,36,72)ありますが、
 これらの約数をすべて素因数分解してみてください。
 2のかけられている数に注目してみると、以下の4通りのパターンに分類できます。
  ・2が3回かけられている(8,24,72)
  ・2が2回かけられている(4,12,36)
  ・2が1回かけられている(2,6,18)
  ・2が1回もかけられていない(1,3,9)
 同様に今度は3のかけられている数に注目してみると、
 以下の3通りのパターンに分類できます。
  ・3が2回かけられている(9,18,36,72)
  ・3が1回かけられている(3,6,12,24)
  ・3が1回もかけられていない(1,2,4,8)
 つまり、2のかけられている数に注目した4通りのパターンそれぞれに、
 3のかけられている数に注目した3通りのパターンが対応していて、
 全部で12種類の約数ができる、というわけです。

 以上から、約数の個数を求める問題は以下のように解けばよいのです。
 【解き方】ある自然数nの約数の個数を求める
  ①nを素因数分解する ⇒ n=\mathrm{a}^{p}×\mathrm{b}^{q}×\mathrm{c}^{r}
  ②指数すべてに1を加えてかける ⇒ (p+1)(q+1)(r+1)

 注意すべき点は、p,q,rの部分に数字が書かれていない場合は、
 その素因数が1回かけられているということですから、1だと思って処理するということ。
 \mathrm{3}^{2}は3を2回かけるという意味ですが、
 3を1回かけるという意味で\mathrm{3}^{1}とは書きません。
 指数としての1は省略されているのです。
 くれぐれも3=\mathrm{3}^{0}だなんて勘違いはしないでくださいね。
 \mathrm{3}^{0}=1ですよ。\mathrm{n}^{0}=1、これは常識です!
 
 (例題)90の約数の個数はいくつあるか。
      90=2×\mathrm{3}^{2}×5
     よって、(1+1)(2+1)(1+1)=12   答え:12個

このブログについて

こんにちは。

私は、とある専門学校で公務員試験対策の講座を担当しています。

得意なのは、数的推理、判断推理などの一般知能系の科目です。

20年近く、公務員を志望する若者たちを指導してきましたが、

毎年のことながら数的推理を苦手としている学生が非常に多く、

限られた講座の時間内で指導しきれないという悩みを抱え続けてきました。

最近になって開講した、来年の公務員試験を受験する学生向けの講座でも、

予定していた内容の7割程度しか進めることができていません。

数学を苦手にしている学生の多いクラスでは、

どうしても個々の説明に時間がかかってしまうのです。

この状況は、何とか改善しなければなりません。

そこで、数的推理の問題に強くなるために必要な学習内容を分野ごとにまとめ、

学生が自由に学習できるツールを作りたいと考え、ブログを書くことにしました。

このブログでは、問題と解説を交互に繰り返しながら、

体験しておくべき問題、覚えるべきことなどを、基礎から書いていくつもりです。

私が指導している学生諸君は勿論、独学で学習を進めている皆さんや、

日々の指導に悩まれている、同志である先生方にも参考にしていただけるよう、

中身の濃いブログにしていきたいと思いますので、

応援よろしくお願いいたします!